今につながる日本史+α

今につながる日本史+α

読売新聞調査研究本部  丸山淳一

明治以降

ジャパンブルーはサムライブルーか

2021年に発売されたサッカー日本代表 100周年アニバーサリーユニフォーム 大河ドラマ「青天を衝け」で藍染めが出てくることから、ジャパンブルーの歴史を探ってみた。 読売新聞オンラインのコラム本文 武士の「勝ち色」由来説には異説も サッカー日本代表の…

感染症にかかった為政者はどう動いたか

コロナ禍が一向に収まらない。菅首相は7月末までに高齢者のワクチン接種を終わらせる方針だが、ワクチン供給の遅れや予約システムの不備などの不手際が相次ぎ、内閣支持率は低迷が続いている。 国会議員がパーティーを開いたり、夜の会合に出席したりした事…

謎だらけ 聖徳太子の肖像画

2021年は聖徳太子(厩戸皇子うまやどのおうじ、574~622)の1400回忌にあたる。奈良の世界遺産・法隆寺では4月3日から5日まで、100年に1度の節目となる遠忌おんき法要が行われた。 聖徳太子はひと昔前まで、間違いなく日本で最も有名な歴史上の人物だっ…

天守閣復旧の熊本城 復旧はこれからが正念場

2016年の熊本地震で傷んだ熊本城天守閣の復旧工事が完了した。5年前に熊本地震に遭遇した筆者にはうれしいニュースだ。だが、復旧工事が完了したのは天守閣と重要文化財の長塀ながべいだけで、熊本城全体の復旧はまだ2割程度しか終わっていないとされる。 …

『青天を衝け』渋沢栄一のすごさを知る三つのポイント

「日本近代資本主義の父」といわれる渋沢栄一(1840~1931)を吉沢亮さんが演じるNHK大河ドラマ『青天を衝け』が始まった。渋沢は3年後には福沢諭吉(1835~1901)に代わって1万円札の顔になる。 波乱万丈の人生は、大河ドラマの主人公にふさわしい。天…

学術会議問題と寛政異学の禁と滝川事件

日本学術会議が推薦した新会員候補のうち6人を菅首相が任命しなかった一件が、尾を引いている。為政者による弾圧と抵抗は歴史にはつきもので、今回の任命拒否も学問の自由との関係が議論されている。 だが、今回の一件を現時点で学問の自由の侵害=違憲とい…

平家の落人集落発見!100年前の国勢調査

国勢調査が大正9年(1920)の第1回調査以来、100 年の節目を迎えた。10月7日に回答期限を迎えた今回の調査は新型コロナの影響でインターネットによる回答が推奨されたが、回答率が低く、回答期限が20日まで延期された。 回答しない世帯には調査員が訪れ、…

「半沢直樹」と白洲次郎に共通する「プリンシプル」

堺雅人さん主演のTBS系日曜劇場「半沢直樹」が終了した。最終回の世帯平均視聴率は32.7%と、令和になって最高を記録したという。「半沢ロス」に陥りながら書いたコラム本文は、ちょっと独りよがりかも知れない。SNS上には結構同じ意見があって、ちょっと…

8月15日に帰省する意味と「勝手に大文字」がダメなワケ

新型コロナウイルスの感染拡大が再び勢いを増す中で、日本最大の民族大移動の時期「お盆(旧盆)」の週がやって来た。多くの感染者が出ている都市部から高齢者が多い地方に帰省し、実家で何日か衣食を共にすれば、ウイルスを拡散させてしまいかねない。 政府…

「暴れ川」「ダム」の歴史と令和の熊本豪雨

決壊した球磨川と浸水した人吉市街 梅雨前線の影響で熊本県南部に記録的な大雨が降り、球磨川が氾濫した。支流に近い球磨村の特別養護老人ホームが浸水し、土砂崩れも多発した。 八代市や人吉市では橋が流失し、多くの人が孤立した。死者・行方不明者は30人…

造船疑獄の指揮権発動は「政治史最大の汚点」なのか

「法務大臣は、……検察官の事務に関し、検察官を一般に指揮監督することができる」「但し、個々の事件の取調又は処分については、検事総長のみすることができる」 「法相の指揮権発動」に関する検察庁法14条の本文と但書きだ。個々の事件について法相は検察官…

『アルキメデスの大戦』の史実が示す教訓とは

*「今につながる日本史」の出版にあわせて、本の中身を確認できるように、このコラムは本に収録した加筆修正後の内容に改めました。 護衛艦「いずも」(海上自衛隊ホームページより) 政府は2018年12月に閣議決定した新たな防衛大綱と中期防衛力整備計画(2…

「Fukushima50」を観て考える「10M」と「400年」

東日本大震災から9年が経過した。福島県双葉町と大熊町にまたがる東京電力福島第一原子力発電所(イチエフ)で起きた事故と、迫りくる「チェルノブイリ×10」の危機と闘った吉田昌郎まさお(1955~2013)所長らの姿を克明に描いた映画「Fukushima50」が公開…

2020東京五輪1年延期、1940年「返上」との違い

大河ドラマ「いだてん」の脚本家、宮藤官九郎さんが新型コロナウイルスに感染したという。志村けんさんが亡くなったことも、多くの人に衝撃を与えた。家族や知人が感染したり、外出自粛で生活がままならなくなっている方が増えているのではないか。心からお…

100年前のパンデミック再来か コロナ猖獗極める

コロナウイルスのパンデミックが止まらない。流行の中心は中国から欧米に移り、奥州はイタリア、フランス、スペインを中心に国ごとほぼ閉鎖という状況になっている。日本でも感染者も中国からの帰還者より欧州からの帰還者が目立つようになってきた。 読売新…

常磐線9年ぶり全線開通 130年の歴史と未来は

東日本大震災と福島第一原発事故の影響で最後まで不通だったJR常磐線富岡―浪江間が運転を再開し、常磐線は9年ぶりに全線が開通する。上野ー仙台間を走る特急「ひたち」も復活する。常磐線130年の歴史を震災復興とは別の角度から振り返り、全線開通の意味…

新型コロナ拡大 江戸の虎列刺(コレラ)の教訓生かせ

新型コロナウイルスによる肺炎の拡大が加速している。2002~03年に大流行し、中国で349人が死亡した重症急性呼吸器症候群(SARS)を大きく上回る拡散で、感染は全世界に広がっている。 最悪の場所とタイミング 鎖国の日本で「虎列刺」流行 箱根で止まった最…

バス「とまります」ボタンは日本独自の文化だった

新型コロナウイルスの感染拡大で公共交通機関の対策が強化されている。乗客にマスク着用や手洗いの励行を求めるアナウンスが流れ、窓開けや車内の消毒も強化されているという。 つり革を手首でひっかけたり、手すりをハンカチを持って握る人もいるようだが、…

信長も認めた?蘭の効用 ひと鉢に込められた歴史と愛情

2020年2月14日から東京ドームで「世界らん展2020」が始まった。今年は30周年ということで特別展示もある。 蘭栽培にも深くて長い歴史がある。今回は日本人4人、福羽逸人(1856〜1921)、大隈重信(1838〜1922)、島津忠重(1886〜1968)、岩崎俊彌(1881〜19…

コロナ感染拡大 の一因 中国の 「春節」と暦の話

新型コロナウイルスが世界に拡大している。1月24日から中国は春節(旧正月)の時期(24日が大晦日にあたる)を迎え、のべ30億人が移動する「世界最大の民族移動」の直前という最悪のタイミングで発生した、ということは別のコラムで記した。 この時期は留学…

ゴーン被告は不正義から逃げたのか?義経伝説との共通点

「私は正義から逃げたのではない、不正義と政治的迫害から逃れたのだ」 ゴーン被告が逃亡後にレバノンで行った記者会見で述べた言葉の中で、私が一番印象に残ったのはこのセリフだった。 この言葉を聞いて思い浮かんだのは、源義経(1159〜89)だった。義経が…

焼失した首里城は「戦わない琉球」の象徴だった

このコラムはYOMIURI ONLINE「深読み」で2019年1月まで掲載し、それ以降はこのブログで不定期に更新してきました。YOMIURI ONLINEのリニューアルに伴い、2019年11月からは読売新聞オンライン「webコラム」で連載を再開しました。 読売新聞オンラインは会員登…

悪化する日韓関係 対立の底流にある「もはや」の3文字

日韓の対立に一向に収束の兆しが見えない。韓国の文在寅ムンジェイン大統領は2019年8月29日に行われた閣議の冒頭、日本に対し、「一度反省を言ったので反省は終わったとか、一度合意したからといって過去の問題がすべて過ぎ去ったのだと終わらせることはでき…

ウナギ絶滅?万葉歌人と江戸の発明家が勧めたワケ

ウナギは99%が養殖物だが、卵から成魚まで完全養殖する技術はまだ確立されていないこと、そのため、養殖といっても稚魚(シラスウナギ)を捕まえて育てるしかなく、稚魚の乱獲が続いていることも、だいぶ知られるようになってきた。日本人とウナギの長い歴…

戦前にも「消えた報告書」があった? 秋丸機関の真実

金融審議会の市場ワーキンググループが2019年6月に公表した「老後には約2000万円必要」とする報告書が波紋を呼んでいる。 野党などから「年金保険料をしっかり払ってきたのに、2000万円足りないとはどういうことだ」「国家的詐欺ではないか」という批判が出…

韓国観艦式で消えた旭日旗の代わりに掲げられた2つの旗

親日派の「積弊清算」に目を向ける韓国・文在寅の罪については、前のブログで具体例を挙げ、説明した。①抜擢人事で登用した側近や盟友に暴走させ、自らは不作為を装う②「反日は韓国の世論であり、韓国政府には止められない。反日を煽っているのはむしろ右傾…

「何もしない」ことで歴史を歪曲する韓国・文在寅政権

いわゆる元徴用工をめぐる問題で、政府は日韓請求権協定に基づく仲裁委員会の設置を韓国政府に要請した。昨年10月に日本企業に賠償を命じた韓国最高裁(大法院)の判決は明らかに協定違反だが、韓国側は「司法判断に介入できない」(康京和外相)と繰り返す…

五輪、駅伝だけじゃない!金栗四三の偉大な足跡

2019年のNHK大河ドラマ『いだてん』前半の主人公は金栗四三(1891〜1983)だ。金栗はストックホルム五輪の代表を決める予選会を世界新記録で走り、日本初の五輪選手となった。 ストックホルムの本番では熱中症で倒れて行方不明になり、世界で最も遅いマラソ…

明治維新から150年 『西郷どん』から見るその意義

憲政記念館で行われた明治150年記念式典 明治改元の詔が出てから150年になる。政府主催の記念式典が開かれたが、明治100年に比べて盛り上がりが今一つだったようだ。 50年という中途半端な節目だからだけではないように思える。司馬遼太郎の「結果を心配せず…

北海道ブラックアウト その背景にある苦難の電力史

大きな寺院があった北海道では胆振地方を中心に余震が相次ぎ、台風も近くを通過するなど、引き続き自然災害に見舞われている。被災した方に心よりお見舞い申し上げたい。 北海道の地震で起きた「ブラックアウト」について、歴史的な背景を調べてみた。どの産…