今につながる日本史+α

今につながる日本史+α

読売新聞編集委員  丸山淳一

鎌倉時代

特別展「東福寺」で知る「規格外」と桜がない理由

京都を代表する禅寺として京都五山にも数えられる京都市東山区の東福寺を訪れた人は多いだろう。京都駅からも近い大きな寺だ。この寺に伝わる国宝や重要文化財など、約200件を展示する特別展「東福寺」(読売新聞社など主催)が、東京・上野の東京国立博物館…

『鎌倉殿の13人』 三谷脚本は史実とどう折りあったか 時代考証の坂井孝一さんに聞く

主人公の北条義時を小栗旬さんが演じたNHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』が、12月18日放送の第48話で最終回を迎える。伊豆の小豪族の次男に過ぎなかった義時が、源頼朝の側近となり、し烈な権力闘争に巻き込まれつつ、鎌倉武士のトップに上り詰めていく過程…

畠山重忠と同じ「死ぬどんどん」の犠牲者、稲毛重成

毎回のように誰かが権力闘争の犠牲となり、いわれなき死を遂げる。SNSでは朝の連続テレビ小説をもじって「死ぬどんどん」の異名がついた『鎌倉殿の13人』。9月18日放送回では、鎌倉幕府の公式記録『吾妻鏡』が「譜代勇士、弓馬達者、容儀神妙」とほめあげた…

13人が出そろった直後に13人ではなくなった「鎌倉殿の13人」 

北条義時が主人公のNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」は、大泉洋さんが演じた源頼朝(1147~99)が退場し、後半戦に入った。タイトルの「鎌倉殿」は鎌倉幕府の将軍で、「13人」は頼朝の死後、若くして後継者となった2代将軍の源頼家(1182~1204)を支えた…

後白河法皇は「日本一の大天狗」ではなかった?

NHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』の6月5日放送回「義時の生きる道」で、西田敏行さんが演じた後白河法皇(1127~92)が天寿を全うした。ドラマでは通説に従って大泉洋さんが演じる源頼朝(1147~99)が、法皇を「日本一の 大天狗おおてんぐ」と呼んだエピ…

「鎌倉殿の13人」上総広常はなぜ頼朝に殺されたのか

上総広常(国立国会図書館蔵) NHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』の4月17日放送回「足固めの儀式」で、佐藤浩市さんが演じた坂東武者、 上総広常かずさひろつね (?~1184)が、大泉洋さん演じる源頼朝(1147~99)によって粛清された。ドラマでは、頼朝の…

感染症にかかった為政者はどう動いたか

コロナ禍が一向に収まらない。菅首相は7月末までに高齢者のワクチン接種を終わらせる方針だが、ワクチン供給の遅れや予約システムの不備などの不手際が相次ぎ、内閣支持率は低迷が続いている。 国会議員がパーティーを開いたり、夜の会合に出席したりした事…

謎だらけ 聖徳太子の肖像画

2021年は聖徳太子(厩戸皇子うまやどのおうじ、574~622)の1400回忌にあたる。奈良の世界遺産・法隆寺では4月3日から5日まで、100年に1度の節目となる遠忌おんき法要が行われた。 聖徳太子はひと昔前まで、間違いなく日本で最も有名な歴史上の人物だっ…

施しから棒引きへ…徳政史の変遷と令和コロナ徳政

新型コロナ感染拡大を受け、国や自治体が中小企業支援策の拡充に踏み切っている。ただ、営業時間の再短縮や休業(自粛)を求められた店の多くからは「月で最大20万円程度の協力金では足りない」という声が出ている。 倒産や廃業を食い止めるための思い切った…

『麒麟がくる』8月再開!高橋英樹さん 大河と信長を語る

新型コロナの影響で放送休止中だった大河ドラマ『麒麟がくる』が8月30日から再開される。これまで大河ドラマ9作に出演した高橋英樹さんのロングインタビューを2回に分けて読売新聞オンラインに掲載した。 高橋さんと言えば『国盗り物語』で演じた織田信長(…

ゴーン被告は不正義から逃げたのか?義経伝説との共通点

「私は正義から逃げたのではない、不正義と政治的迫害から逃れたのだ」 ゴーン被告が逃亡後にレバノンで行った記者会見で述べた言葉の中で、私が一番印象に残ったのはこのセリフだった。 この言葉を聞いて思い浮かんだのは、源義経(1159〜89)だった。義経が…