今につながる日本史+α

今につながる日本史+α

読売新聞調査研究本部  丸山淳一

「今につながる日本史」オンライン講座開始

 

 読売新聞オンラインで連載したコラムに、このブログの書き下ろしも加えた『今につながる日本史』。まだ全国の書店からお取り寄せ可能です。Amazonなどのネット通販でもお買い求めいただけます。全国の図書館にも入っています。

  • 第1回 「災害と日本史」配信中
  • 第2回 「パンデミックと日本史」配信中
  • 第3回 「忖度と改ざんと日本史」準備中 
  •  本はまだ買えます!コラム連載も継続中です!

  9月からは、よみうりカルチャーオンライン講座の配信も始まりました(有料)。「災害」「パンデミック」「忖度と改ざん」をテーマにした3回シリーズです。

第1回 「災害と日本史」配信中

 PR動画はこちらです。

  

 第1回オンライン講座について、視聴方法など詳しくは↡こちらをご覧ください。

第2回 「パンデミックと日本史」配信中

 PR動画はこちらです。

  

   第2回オンライン講座について、視聴方法など詳しくは↡こちらをご覧ください。

第3回 「忖度と改ざんと日本史」準備中 

 第3回オンライン講座については、現在準備中です。公開準備が整った時点でお知らせします。

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鬼滅の刃と日本神話 “聖地”の共通点

  

人気漫画『鬼滅きめつやいば』のコミック累計発行部数が電子版を含めて1億部を突破した。「週刊少年ジャンプ」の連載はすでに終了しているが、人気は依然衰えず、劇場版の映画も公開された。

 物語のモデルは多くが不明だが、『鬼滅』ファンは主人公の少年、竈門かまど炭治郎たんじろうと同じ名前の神社などをゆかりの地に見立てて“聖地巡礼”に訪れている。

 これらの“聖地”の由来をたどっていくと、『鬼滅』と日本神話のつながりが浮かび上がってくる。

読売新聞オンラインのコラム本文

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  • 九州の神社や山を連想
  •  2つの「天孫降臨の地」との関係
  •  炭治郎は火の神カグツチ
  •  敗者で影の存在
  • 古事記にはない「鬼」の文字

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公式ファンブック

九州の神社や山を連想

 『鬼滅の刃』は人食い鬼に家族を惨殺された炭治郎が、鬼狩りの非合法組織「鬼殺隊」の仲間とともに鬼と戦う物語だ。家族の中で唯一生き残った妹の禰豆子ねずこも鬼と化し、炭治郎は妹を人間に戻す方法を探る使命も担っている。

 物語が展開するのは」大正時代だが、東京・浅草など一部を除いて舞台がどこなのかは作中からは分からない。炭治郎の出身地は公式ファンブックで東京都の雲取山くもとりやまとされているが、作者の吾峠ごとうげ呼世晴こよはるさんは福岡県の出身で、作中には九州の神社や山を連想させるエピソードが数多く盛り込まれている。

 神社に奉納された絵馬などを見る限り、“聖地”として注目されているのは福岡の宝満山竈門神社、大分県別府市の八幡竈門神社などのようだ。

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「今につながる日本史」反響まとめ

   

 読売新聞オンラインで連載したコラムに、このブログの書き下ろしも加えた『今につながる日本史』。まだ全国の書店からお取り寄せ可能です。Amazonなどのネット通販でもお買い求めいただけます。全国の図書館にも入っています。

 本は多くの方に読んでいただき、これまでに多くの反響をお寄せいただきました。本当にありがとうございます。これまでに登場した書評などをご紹介します。私が知らないところに登場しているものがあれば、お知らせ頂けるとありがたいです。

  • 「日本記者クラブ会報」7月号で自己PR
  • 高橋英樹さんにもお読みいただきました
  • FACTA8月号書評 明治学院大名誉教授/樋口隆一さん
  • 財務省広報誌「ファイナンス」8月号書評/渡部晶さん
  •  近現代史研究者/辻田真佐憲さん
  • ノンフィクションライター/早坂隆さん
  • ノマド アンド プランディング書評/大杉潤さん
  • エネルギーレビュー9月号書評/斉藤隆さん
  • フランク・ミシュラン帝京大教授
  • 雑誌『歴史群像』10月号
  • 書評サイト「本が好き!」/信ちゃんさん
  •  読書メーター 双子座の双子ちゃんのパパ/Syoさんほか
  • あるケミストの研究室
  • ツイッター
  • 同級生の大学教授(友人公開のSNSなので匿名・抜粋)
  • 「深層NEWS」のテレビマン(友人公開のSNSなので匿名・抜粋)

「日本記者クラブ会報」7月号で自己PR

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高橋英樹さんにもお読みいただきました

 憧れの俳優、高橋英樹さんも本をお読みくださったそうで、感激です!織田信長 の魅力をたっぷり語っていただいたロングインタビューは読売新聞オンラインで公開中です。

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平家の落人集落発見!100年前の国勢調査

  

 国勢調査が大正9年(1920)の第1回調査以来、100 年の節目を迎えた。10月7日に回答期限を迎えた今回の調査は新型コロナの影響でインターネットによる回答が推奨されたが、回答率が低く、回答期限が20日まで延期された。

 回答しない世帯には調査員が訪れ、虚偽の回答をすると罰金が科せられることもある。インターネットによる回答は思ったより簡単なので、早く済ませることをお勧めしたい。

  •  遅れに遅れた第1回調査
  •  調査の重要性を知っていた原敬
  • 「一人も漏れなく、ありのまま」
  • 平家の落人集落、埼玉の山中に
  • 統計の重要性は浸透したか

 遅れに遅れた第1回調査

 国勢調査は“Population Census”の訳で、「国の勢い」ではなく、「国の情勢」を調べて知るという意味だ。「国勢」という言葉を用いて統計の重要性を最初に訴えたのは、早稲田大学創設者の大隈重信(1838〜1922)だった。

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大隈重信(左)と寺内正毅(国立国会図書館蔵)

 日本は明治35年(1902)に「国勢調査ニ関スル法律」を定め、明治38年(1905)に第一回調査を行い、世界人口センサスに参加する予定だった。しかし、その前年に日露戦争が始まり、莫大な予算が必要な国勢調査は実施が棚上げされた。

 10年後の大正4年(1915)の調査も、第一次世界大戦の影響で流れてしまう。のちに岩手県知事や東京市長を務める内閣統計局長の牛塚虎太郎(1879〜1966) が、当時の首相、寺内正毅(1852〜1919)に「国勢調査実施ニ関スル件」という意見書を提出し、実施の必要性を説く。

 「欧米諸国は前世紀のはじめから国勢調査を行っている。欧米諸国に伍していくには国勢調査の実施は必須だ。明治35年国勢調査の実施を法律で定め公言しているのに、10年以上も実施しないとは、いかなることか」

 牛塚らの尽力によって大正6年(1917)「国勢調査施行ニ関スル建議案」が衆議院で可決され、ついに大正9年の調査実施が本決まりになった。

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国勢調査を推進した牛塚(左)と原(国立国会図書館蔵)
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「半沢直樹」と白洲次郎に共通する「プリンシプル」

  

 堺雅人さん主演のTBS系日曜劇場「半沢直樹」が終了した。最終回の世帯平均視聴率は32.7%と、令和になって最高を記録したという。「半沢ロス」に陥りながら書いたコラム本文は、ちょっと独りよがりかも知れない。SNS上には結構同じ意見があって、ちょっとほっとしたが...。

読売新聞オンラインのコラム本文

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 ドラマ後半で描かれた「帝国航空」の再建計画をめぐる話は、2009年に民主党前原誠司国土交通相が「JAL再生タスクフォース」を設置した話がモデルになっている。

  •  日航外資との日本の空争奪戦
  • 「もく星号事故」後に仕掛けた「倍返し」 
  • 特殊会社が「親方日の丸」体質を醸成
  • 戦後の産業復興、いたるところに登場
  • 日本一ダンディーな男が土下座 
  • 「プリンシプル」が求められる時代

  債権放棄などをめぐる銀行団の反発などで再生計画づくりは難航したあげく企業再生支援機構に引き継がれ、日航は10年1月に会社更生法の適用を申請して経営破綻した。事実はドラマの経過とは異なる。

 むしろ熱い闘いがあったのは、約70年前の日航創設時ではないか。この時は吉田茂(1878~1967)首相の側近だった白洲次郎(1902~85)が半沢のような役回りを演じている

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「今につながる日本史」全国の書店で発売中!

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 読売新聞オンラインで連載したコラムに、このブログの書き下ろしも加えた『今につながる日本史』が本になり、5月20日中央公論新社から発売されました。

 2018年から2020年までに読売新聞オンラインに掲載した「今につながる話」のほか、歴史のこぼれ話〈余話〉、書き下ろしコラムや元号一覧表、作家の堂場瞬一さん、「歴史の達人」出口治明さんのインタビューも収録しました。全国の書店でお求めください。

  

 お読みになった方、本の通販サイトなどにレビューをお寄せいただけると励みになります。もちろん厳しい評価でもかまいません。

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「三悪」の汚名晴らす? 『 麒麟がくる』の松永久秀

  

 再開後のNHK大河ドラマ麒麟がくる』で、吉田鋼太郎さんが演じる松永久秀(1508〜77)のこれまでの「官有梟雄」のイメージが変わりつつある。

 9月20日放送回では向井理さんが演じる足利13代将軍義輝(1536〜65)が、永禄8年(1565)に三好三人衆らに殺害されるクーデター「永禄の変」が描かれた。しかし、これまでの大河ドラマのように、久秀を将軍義輝暗殺の首謀者として描かなかった。

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細川藤孝らに従って興福寺を出る覚慶(『絵本石山軍記』国立国会図書館蔵)

 義輝が暗殺された後に滝藤賢一さんが演じる義輝の弟の覚慶(足利義昭、1537〜97)を匿うなど、三好三人衆とは別の動きをしたことも、これまでの大河ドラマではきちんと描かれなかった。しかし、最近の研究では、『麒麟がくる』が描く久秀は史実に近いとみられている。

  • 久秀=悪人のイメージは『常山紀談』から
  • 将軍暗殺時には不在のアリバイ
  •  主君、その嫡男、弟の死も久秀のせい?
  • 大仏を焼いたのは偶発的な“事故”
  • なぜ江戸時代に悪役になったのか

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松永久秀(『太平記英勇伝』)

久秀=悪人のイメージは『常山紀談』から

 久秀に梟雄のイメージがついたのは、江戸時代の儒学者、湯浅常山(1708〜81)の『常山紀談』にある以下の話が元になっている。

徳川家康(1543〜1616)が信長を訪ねて会談した時、たまたま信長の傍に久秀がいた。信長は家康に「この男は、平然と3つの悪事をした」と紹介した。3つの悪事とは、

・将軍を暗殺した

・主君とその子らを死に追い込んだ

東大寺の大仏を焼き払った

 紹介された久秀は面目を失った。

だが、そもそも信長が家康に久秀を紹介したという逸話自体が創作だろう。その内容についてはとても信じられない。3つの悪事について、個別に検証してみよう。

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二条御所で三好勢に襲われる義輝(『絵本石山軍記『国立国会図書館蔵)
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