今につながる日本史+α

今につながる日本史+α

読売新聞編集委員  丸山淳一

2023-04-01から1ヶ月間の記事一覧

牧野富太郎を顕彰するのに不可欠な視点とは

自宅書斎での富太郎(国立国会図書館蔵) NHK連続テレビ小説『らんまん』で神木隆之介さんが演じる主人公の槙野万太郎のモデルは、日本を代表する植物学者、牧野富太郎(1862~1957)だ。貧困にあえぎつつ、ひたむきに研究を続けた植物学者のことは、ご存じ…

2025年大河主人公・蔦屋重三郎の敏腕プロデュース

2025年に放送されるNHK大河ドラマは、江戸時代の出版人、蔦屋つたや重三郎じゃうざぶろう(1750~97)の生涯を描く「べらぼう~蔦重つたじゅう栄華乃夢噺えいがのゆめばなし~」に決まった。主人公の重三郎は横浜流星さんが演じる。 横浜さんは大河ドラマは…

次期朝ドラロケで本堂破損 百済寺の長くて深い歴史

百済寺本堂。慶安3年(1650年)に再建された 近江(滋賀県)琵琶後の東に位置する「湖東三山」のひとつ、釈迦山しゃかさん百済寺ひゃくさいじ(滋賀県東近江市百済寺町)本堂の濡ぬれ縁が破損した。 NHK大阪放送局が制作する次期連続テレビ小説『ブギウギ』の…

天下の大名物「千鳥の香炉」の数奇な来歴

大人買いしている「戦国の茶器」 トイズキャビンのカプセルトイ「戦国の茶器」の大人買いを続けていたら、本棚の一角が変の直前の本能寺みたいなことになってきた。蘭奢待らんじゃたい、三足みつあしノ蛙、平蜘蛛の釜、黄金の茶窯などがそろった。それぞれ深…

退却を進言した家康を置き去りに?「金ヶ崎の退き口」の真実

読売カルチャーセンター公開講座で取り上げた話の中から、時間内で話しきれなかったテーマを再録・補足する第2弾は、元亀元年(1570年)の織田信長(1534~82)による越前(現在の福井県)朝倉攻めについて取り上げる。越前攻めは信長の義弟、浅井長政(154…

熊本地震から7年 邸宅再建、ジェーンズってどんな人?

平成28年(2016年)4月に発生した熊本地震から間もなく7年が経つ。熊本のテレビ局に赴任して地震に遭遇した筆者は、4月14日(前震)と16日(本震)の揺れをまだ体で覚えている。 再建されたジェーンズ邸。内部展示を整備し、2023年9月に一般公開の予定(熊…

三英傑「ホトトギスの歌」を詠んだのは誰か

読売カルチャーセンター錦糸町で「徳川家康はなぜ最後に天下人になれたのか」という題で公開講座を開き、「戦国の三英傑」について話した。織田信長(1534~82)、豊臣秀吉(1537~98)、徳川家康(1542~1616)の性格の違いを話した際に、有名な「ホトトギ…