今につながる日本史+α

今につながる日本史+α

読売新聞編集委員  丸山淳一

太平洋戦争

終戦77年の夏に振り返る81年前の「総力戦研究所」の結論

終戦から77年の8月15日が過ぎたが、今回は81年前の夏、昭和16年(1941年)夏の話から始めたい。当代一流の経済学者を集め、主計中佐の秋丸次朗(1898~1992)が率いた陸軍省戦争経済研究班(通称「秋丸機関」)が、この夏に陸軍上層部に「日米の国力差は20…

コロナ禍3年目の夏に考える「お盆」の意義

新型コロナウイルスの感染拡大「第7波」が勢いを増す中で、日本最大の民族大移動の時期「お盆」の週がやって来た。今年は行動制限のない久しぶりの夏。東北では大雨被害が心配されたが、3年ぶりの「三大祭り」が始まった。 読売新聞オンラインのコラム本文…

「転落の歴史」からコロナ対策を考える

2021年は緊急事態宣言の再発令から始まった。今年もコロナとの戦いが最大の懸案になることは間違いない。読売新聞オンラインのコラム本文は、元通産官僚で衆議院議員の齋藤健さんのインタビューだ。 齋藤さんは、日露戦争の勝利から第2次世界大戦に惨敗する…

「半沢直樹」と白洲次郎に共通する「プリンシプル」

堺雅人さん主演のTBS系日曜劇場「半沢直樹」が終了した。最終回の世帯平均視聴率は32.7%と、令和になって最高を記録したという。「半沢ロス」に陥りながら書いたコラム本文は、ちょっと独りよがりかも知れない。SNS上には結構同じ意見があって、ちょっと…

スターリンの犯罪 シベリア抑留と終戦工作の接点

5年、全国戦没者追悼式がコロナ禍の中で開かれた。節目の「終戦の日」だからこそ、8月15日の恒例行事の意義を再認識することが大事だと思う。 「終戦の日」は第二次世界大戦の戦闘が止やんだ日ではない。昭和20年(1945)8月9日に旧満州(中国東北部)に攻…

『アルキメデスの大戦』の史実が示す教訓とは

*「今につながる日本史」の出版にあわせて、本の中身を確認できるように、このコラムは本に収録した加筆修正後の内容に改めました。 護衛艦「いずも」(海上自衛隊ホームページより) 政府は2018年12月に閣議決定した新たな防衛大綱と中期防衛力整備計画(2…

2020東京五輪1年延期、1940年「返上」との違い

大河ドラマ「いだてん」の脚本家、宮藤官九郎さんが新型コロナウイルスに感染したという。志村けんさんが亡くなったことも、多くの人に衝撃を与えた。家族や知人が感染したり、外出自粛で生活がままならなくなっている方が増えているのではないか。心からお…

焼失した首里城は「戦わない琉球」の象徴だった

このコラムはYOMIURI ONLINE「深読み」で2019年1月まで掲載し、それ以降はこのブログで不定期に更新してきました。YOMIURI ONLINEのリニューアルに伴い、2019年11月からは読売新聞オンライン「webコラム」で連載を再開しました。 読売新聞オンラインは会員登…

戦死者1万人…死闘を指揮した「南洋のサムライ」

島に放置された旧日本軍戦車 河野太郎外務大臣が日本の外相として初めてパラオ共和国を訪問した。パラオ本島を訪れた外相は、約60キロ南西に浮かぶペリリュー島を慰霊している。 2015年には、戦後70年の節目に天皇皇后両陛下(現在の上皇上皇后陛下)もこの…

戦前にも「消えた報告書」があった? 秋丸機関の真実

金融審議会の市場ワーキンググループが2019年6月に公表した「老後には約2000万円必要」とする報告書が波紋を呼んでいる。 野党などから「年金保険料をしっかり払ってきたのに、2000万円足りないとはどういうことだ」「国家的詐欺ではないか」という批判が出…

韓国観艦式で消えた旭日旗の代わりに掲げられた2つの旗

親日派の「積弊清算」に目を向ける韓国・文在寅の罪については、前のブログで具体例を挙げ、説明した。①抜擢人事で登用した側近や盟友に暴走させ、自らは不作為を装う②「反日は韓国の世論であり、韓国政府には止められない。反日を煽っているのはむしろ右傾…

「何もしない」ことで歴史を歪曲する韓国・文在寅政権

いわゆる元徴用工をめぐる問題で、政府は日韓請求権協定に基づく仲裁委員会の設置を韓国政府に要請した。昨年10月に日本企業に賠償を命じた韓国最高裁(大法院)の判決は明らかに協定違反だが、韓国側は「司法判断に介入できない」(康京和外相)と繰り返す…

スターリンとヒトラーの野望を砕いた樋口季一郎

「第二次大戦の結果」とは 平和条約締結と北方領土返還をめぐる日露の協議が注目を集めている。ただ、気になるのはロシアのラブロフ外相が「日本は第二次世界大戦の結果を受け入れない唯一の国だ」という批判を口にしていることだ。 「北方4島はロシアの領土…

大本営発表のウソを見抜いた昭和天皇

終戦の日にあわせて、大本営発表の欺瞞の構造について書いた。書いたというより、「深層NEWS」にご出演いただいた『大本営発表』(幻冬舎新書)の著者で近現代史研究者の辻田真佐憲さんの番組でのお話を再構成したといった方がいい。 このコラムはこれまでで…