主人公の渋沢栄一を吉沢亮さんが演じたNHK大河ドラマ「青天を衝け」が、12月26日放送の第41話で最終回を迎える。500社もの会社を設立し、600にのぼる公共事業を進めた渋沢は「近代日本資本主義の父」として知られていたが、天保から昭和まで11の年号を生き、農民から尊王攘夷の志士へ、そして幕臣、大蔵官僚、実業家へと身を転じた波乱の人生は、あまり知られていなかった。
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時代考証・門松さんが語るドラマの裏話
歴史学者としてドラマの描写を検証する「時代考証」を担当した東北公益文科大学准教授の門松秀樹さんに、大河の裏話や、渋沢ら明治維新を支えた旧幕臣の実像を語ってもらった。
インタビューでは多くの人物が登場したため、演じた俳優名とともに一覧をつけた。ドラマをご覧になった方は登場人物の顔やセリフを思い浮かべながらお読みいただきたい。
コロナ禍の影響で出番がなかった人物は?
聞き手として興味があったのは、放送開始が2月中旬にずれ込み、東京オリンピック・パラリンピックの間も休止した影響について。放送回が41回と、例年の大河ドラマよりかなり短くなったが、この影響で出番が短くなった登場人物はいたのかといううことだ。
門松さんは「旧幕臣で登場したのは、渋沢とともに大蔵省の『 改正掛 』で活躍した人が中心で、榎本武揚(1836~1908)、勝海舟(1823~99)が登場しない。勝や榎本を取り上げると話が広がりすぎてまとまらないと判断されたようだ」と述べている。
維新の三傑のひとり、木戸孝允(1833~77)も登場しなかった。門松さんは「木戸と渋沢は互いの私邸を訪れるなど交友があり、国父の島津久光に気兼ねして改革に消極的だった薩摩藩出身の西郷隆盛や大久保利通を木戸が抑えてくれたから渋沢は活躍できた」
「長州藩出身者では伊藤博文や井上馨がしっかり登場するのに木戸が登場しないのは不自然だ、と何回か会議で申し上げたが、登場人物が多くなりすぎて視聴者がドラマについてこられなくなる『幕末維新の大河の通弊』を避けるためには、やむを得なかったか」と話してくれた。
詳しくはインタビュー記事をお読みいただきたい。
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